「自分が亡きあと、家や土地をどう分けるか」
「長年住んでくれた人にマンションを残したい」
この様な依頼は多いですが、不動産をがらみの遺言は、専門性の高さから特に問題が起こりやすい分野です。
口頭や自筆で書いた遺言では、
・法務局で登記ができないケース
・文面に不備があり無効になる
・相続人間で争いが起きる
・しっかり不動産を遺言できていない
この様な問題が多々あります。
だからこそ、不動産を遺言する場合は「公正証書遺言」で法的活用し残すことが最も確実です。
公正証書遺言は、公証役場で作成する正式な遺言で、法的効力・証明力が圧倒的に高いのが特徴です。
不動産(マンション・土地・建物)を遺言する場合のポイント
不動産は現金と違い、「形がある財産」です。
そのため、評価額・登記内容・持分が重要になります。
① マンションを遺言する場合
マンションは「建物部分」と「土地の持分部分」に分かれています。
例えばマンションを遺贈するときは、
- 建物(専有部分)
- 土地(敷地権・共有持分)
この2つをセットで記載する必要があります。
例:「大阪市中央区〇丁目〇番地の〇〇マンション501号室、敷地権付き建物一式を長男○○に相続させる」
② 土地・建物を遺言する場合
土地と建物は、別の登記簿で管理されています。
したがって、遺言には「土地」と「建物」をそれぞれ明記します。
例:「大阪市中央区〇丁目〇番地の土地および同地上建物を妻○○に相続させる」
また、固定資産評価証明書の金額をもとに公証人が手数料を計算するため、評価額の確認も必要です。
③ 持分・共有名義の不動産の場合
共有で所有している土地や建物の場合は、「持分割合」まで記載します。
例:「大阪市中央区〇丁目〇番地の土地(持分2分の1)を長男○○に相続させる」
共有名義を整理せずに遺言すると、相続時に共有者同士の合意が取れず登記が止まることがあります。
この場合、遺言の段階で持分や共有関係を明確にしておくことが重要です。
不動産を遺言に含める際に必要な書類
| 書類名 | 内容・目的 |
|---|---|
| 固定資産税の通知書(または評価証明書) | 評価額の確認、公証人手数料の算定に使用 |
| 不動産登記簿謄本(登記事項証明書) | 正確な所在地・地番・構造・床面積等を確認 |
| 身分証明書(運転免許証など) | 遺言者本人確認 |
| 戸籍謄本 | 相続人を確認するため(遺言者・相続人双方) |
| 遺贈の場合(相続人以外に贈る場合) | 受け取る方の住民票・身分証明書 |
| 遺言執行者を定める場合 | 遺言執行者の身分証明書 |
| 証人二人の身分証明書・印鑑 | 公正証書遺言には成人2名の証人が必要 |
💬 証人は親族でなくても構いません。信頼できる成人2名(または専門家)が立ち会います。

不動産の遺言公正証書作成の流れ
- 内容の整理(誰に・どの物件を・どの割合で)
不動産の所在地・持分・評価額を確認し、希望の配分を明確にします。 - 書類の準備
登記簿謄本や固定資産評価証明書などを取得します。 - 公証人との事前打合せ
内容をもとに公証役場と打合せ。文面・評価額を確認。 - 証人2名立会いのもと作成・署名
当日、公証役場で署名・押印を行い、正式な遺言公正証書が完成します。
このほか、原案の作成や公証人とのやりとり資料や書類の準備が必要です。
公正証書遺言で不動産を遺すメリット
| メリット | 内容 |
|---|---|
| ✅ 無効になりにくい | 公証役場で作成するため、形式不備が起きない |
| ✅ 紛失・改ざんの心配がない | 原本は公証役場で保管される |
| ✅ 登記・相続登記がスムーズ | 登記簿情報と一致するため手続きが早い |
| ✅ 相続トラブルを防げる | 誰に何を渡すかを明確に残せる |
| ✅ 高齢者や病気の方も安心 | 代理人や出張で作成可能(条件あり) |
遺言に不動産を含める際の注意点
- 不動産の名義・住所・地番は正確に記載する
- 「土地だけ」「建物だけ」にならないようセットで記す
- 持分割合・評価額・相続人関係を確認
- 公証役場は内容相談に応じないため、事前に専門家へ
- 評価証明書は最新年度のものを使用
- 不動産に関する法律をしっかり適応させる
公正証書サポートセンター大阪のサポート
公証役場では、内容相談・文面修正には応じてくれません。
私たち公正証書サポートセンター大阪では、
不動産を含む遺言を専門に、以下のサポートを行っています。
- 不動産の登記簿・評価額の確認
- 遺言文面の設計・原案作成
- 公証役場との調整・予約代行
- 証人2名の手配
- 遺言執行者の選任サポート
不動産を残すための公正証書作成をわかりやすく丁寧にお手伝い、代行いたします。
まとめ|不動産の遺言は「確実に残す」ことが最優先
不動産は、家族の暮らしに直結する大切な財産。
だからこそ、“確実に実現できる形”で残すことが何より重要です。
書き方ひとつで遺言が無効になることもあれば、
一文の工夫で、家族の未来が守られることもあります。
「遺言 不動産」「遺言 マンション」でお悩みの方は、
一度、公正証書サポートセンター大阪(行政書士OKK濱口法務事務所)へご相談ください。

