離婚後の養育費、公正証書には何を書けばいい?|作成時に決めておきたい7つのポイント

養育費についての離婚公正証書

「離婚後、養育費を毎月きちんと払ってもらえるか不安……」
「養育費については話し合っているけれど、公正証書には何を書けばいいの?」
「金額だけ決めておけば大丈夫?」

離婚の際、養育費について夫婦で合意できていても、「毎月○万円を支払う」という金額だけを決めて終わりにするのはおすすめできません。

養育費は、離婚後も長期間にわたって支払いが続くことがあります。

そのため、公正証書を作成するのであれば、金額だけでなく、いつ・どのように・いつまで支払うのか、支払いが止まった場合にどうするのかまで具体的に決めておくことが大切です。

この記事では、離婚後の養育費について公正証書を作成する際に、特に確認しておきたいポイントを公正証書専門の「行政書士がわかりやすく解説します。

目次

離婚後の養育費は、公正証書にしておいたほうがいい?

結論からいうと、夫婦の話し合いで養育費を決めたのであれば、その内容を公正証書などの書面に残しておくことをおすすめします。

口頭で、

「毎月5万円払うよ」
「子どもが高校を卒業するまで払うよ」

と約束していても、数年後に相手の考えが変わってしまう可能性があります。

また、離婚直後は問題なく支払われていても、

  • 再婚した
  • 転職した
  • 給料が減った
  • 生活環境が変わった
  • 時間が経って約束を忘れてしまった

など、さまざまな事情から支払いが止まることがあります。

法務省も、養育費については「金額」「支払期間」「支払時期」「振込先」などを具体的に決め、後日のトラブルを防ぐため書面に残すことを案内しています。

さらに、一定の条件を満たす公正証書を作成しておけば、養育費が支払われなくなった場合に強制執行の手続きを利用しやすくなります。

ただし、「公正証書にしたから、必ず、すぐ差し押さえができる」というわけではありません。

養育費の不払いに備えるためには、強制執行に関する条項など、内容を適切に作っておくことが重要です。

養育費の公正証書で決めておきたい7つのポイント

では、実際に公正証書には何を記載すればよいのでしょうか。

特に確認しておきたいのが、次の7つです。

  • 養育費の金額
  • 支払開始時期と支払日
  • 支払期間
  • 振込先・支払方法
  • 子どもの進学などに伴う特別な費用
  • 養育費の増額・減額について
  • 養育費が支払われなかった場合の取り決め

順番に見ていきましょう。

① 養育費はいくら支払うのか

まずは当然ですが、毎月いくらの養育費を支払うのかを明確にします。

例えば、

「甲は乙に対し、長女○○の養育費として、毎月5万円を支払う」

などです。

子どもが複数いる場合には、

「子ども1人につき○万円」とするのかなども確認しておきます。

養育費の金額については、夫婦双方の収入、子どもの人数・年齢などによって考える必要があります。

「相手が提示した金額だから、そのまま公正証書にしてしまおう」

と急いで決めるのではなく、まずは無理のない金額なのか確認することが大切です。

養育費な関しては、相場よりも原則必要な額を考えることをお勧めします。

② いつから、毎月何日に支払うのか

「毎月5万円」と金額だけ決めても、支払日が曖昧だと後々トラブルになる可能性があります。

例えば、

「毎月末日までに支払う」

など、具体的な支払日を決めておきます。

また、

「離婚した月から支払うのか」

「翌月から支払うのか」

など、支払いを開始する時期についても確認しておきましょう。

③ 養育費はいつまで支払うのか

養育費について特に重要なのが、「いつまで支払うのか」支払期間です。

例えば、

  • 子どもが18歳になるまで
  • 高校を卒業するまで
  • 20歳になるまで
  • 大学卒業まで

など、さまざまな決め方が考えられます。ここで注意したいのが、

「成人するまで」

という表現です。

現在は成年年齢が18歳となっているため、「成人するまで」とだけ書くと、当事者が想定していた期間と実際の条項の意味がずれてしまう可能性があります。

「18歳になった後も大学卒業まで養育費を受け取りたい」など、夫婦間で合意している内容があるのであれば、何年何月まで、あるいはどのような条件まで支払うのかを具体的にしておくことが大切です。

④ 養育費の振込先と支払方法

養育費の支払い方法も決めておきましょう。

一般的には、指定した銀行口座への振込みとするケースが多いです。

例えば、

「乙が指定する銀行口座に振り込む」

などです。

振込手数料をどちらが負担するのかについても、あらかじめ決めておくと安心です。

⑤ 入学金・大学進学費用などの「特別な費用」はどうする?

養育費について話し合うときに、忘れやすいのが通常の養育費とは別に発生する大きな支出です。

例えば、

  • 高校・大学の入学金
  • 授業料
  • 大学受験費用
  • 私立学校への進学費用
  • 大きな病気やけがの治療費

などです。

毎月の養育費を5万円と決めても、

「大学の入学金はどうする?」

「私立高校に進学した場合の学費は?」

「突然大きな医療費が必要になったら?」

という問題は別に発生する可能性があります。

そのため、必要に応じて、

「通常の養育費とは別に発生する特別な費用について、父母が協議して負担割合を決める」

など、将来の費用についても取り決めておくことがあります。

もちろん、すべてのケースで同じ内容にすればよいわけではありません。

ご家庭の状況に合わせて、どこまで取り決めておくのかを考えることが大切です。

弊所では、再度この項目についても丁寧な設計を推奨します。

⑥ 将来、養育費を増額・減額する場合は?

離婚した時点では、

「夫の収入が月30万円」

「妻の収入が月15万円」

だったとしても、数年後には状況が変わっているかもしれません。

例えば、

  • 転職した
  • 収入が大きく増えた
  • 収入が大きく減った
  • 再婚した
  • 子どもが進学した
  • 病気やけがで働けなくなった

などです。

このような場合には、養育費の増額・減額が問題になることがあります。

そのため、離婚時点ですべての将来の変化を予測して金額を固定するのではなく、事情が大きく変わった場合の扱いについても確認しておくことが重要です。

⑦ 「養育費が払われなかったらどうする?」まで考える

そして、養育費の公正証書で特に重要なのがここです。

「もし養育費が支払われなくなったらどうするのか」

という点です。

公正証書を作成する大きなメリットの一つが、一定の条件を満たす場合に、裁判手続きを経ずに強制執行の手続きを利用できることです。

そのためには、公正証書に強制執行認諾文言を入れておく必要があります。

法務省も、養育費について公正証書による強制執行を行うためには、支払義務者が不払いの場合に直ちに強制執行を受けても異議がない旨の「強制執行認諾文言」を公正証書に記載する必要があると説明しています。

つまり、

「公正証書を作ること」だけではなく、「どのような内容の公正証書を作るのか」

が重要なのです。

「養育費は毎月払う」と約束しているから大丈夫?

ここまで読んで、

「夫はちゃんと払うと言っているし、公正証書までは必要ないかな……」

と思った方もいるかもしれません。

もちろん、離婚後も約束どおり養育費が支払われることが一番です。

しかし、養育費は数か月で終わるものではなく、子どもの成長に合わせて長期間支払うことになるケースがあります。

離婚した直後は、

「子どものためだから、ちゃんと払う」

と言っていた相手が、数年後も同じように考えているとは限りません。

だからこそ、

「払ってくれるかもしれない」と相手を疑うためではなく、離婚後にお互いが約束を守るために、最初にきちんと書面にしておく。

これが公正証書を作成する意味の一つです。

公正証書を作る前に、夫婦で決めておきたいこと

公証役場に行ってから、

「養育費はいくらにしますか?」

「いつまで支払いますか?」

「大学の費用はどうしますか?」

と一から話し合うわけではありません。

基本的には、まず夫婦間で合意する内容を整理し、その内容を公正証書にしていきます。

そのため、公正証書を作成する前に、

養育費について

  • 毎月の金額
  • 支払開始時期
  • 支払日
  • 支払期間
  • 振込先
  • 振込手数料の負担
  • 特別な費用の負担
  • 将来の増額・減額について

などを整理しておくことをおすすめします。

さらに離婚の場合には、養育費だけでなく、

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 面会交流
  • 年金分割
  • その他の金銭の支払い

などについても、まとめて取り決めるケースがあります。

「自分たちで作った離婚協議書」をそのまま公正証書にすればいい?

これもよくあるご質問です。

離婚協議書を自分たちで作成している場合でも、その内容をもとに公正証書を作成することはできます。

ただし、

「とりあえずネットにある雛形に沿って書けば大丈夫」

とは限りません。

特に養育費については、

「いつまで」

「いくら」

「いつ支払う」

「どのような場合に追加費用を負担する」

「不払いの場合にどうする」

など、具体的に決めておかなければ、後から解釈をめぐって問題になる可能性があります。

公正証書は、単なる「約束を書いた紙」ではありません。

将来のトラブルを防ぐための重要な書面だからこそ、作成前に内容をきちんと整理しておくことが大切です。

離婚後の生活まで考えた「公正証書」に

離婚をするときは、

「早く離婚を成立させたい」

「もう相手と話したくない」

「これ以上揉めたくない」

という気持ちになるのも当然です。

しかし、養育費については、離婚届を提出した後も子どもの成長に合わせて関係が続きます。

だからこそ、

離婚するときに、できるだけ将来の不安を減らしておく。

そのための一つの方法が公正証書です。

特に、

「養育費は合意できたけれど、公正証書の内容がこれで大丈夫なのか分からない」

「夫婦で話し合った内容を公正証書にまとめたい」

「強制執行認諾文言を入れておきたい」

「養育費以外の離婚条件もまとめたい」

という場合には、作成前に専門家へ相談しておくと安心です。

公正証書の内容がまだ決まっていなくても大丈夫です

公正証書サポートセンター大阪では、離婚に伴う養育費・慰謝料・財産分与などの公正証書作成をサポートしています。

「何を書けばいいのか分からない」

「夫婦で話し合っている途中」

「すでに離婚協議書を作ったけれど、これで大丈夫か確認してほしい」

という段階でもご相談いただけます。

当センターでは、離婚公正証書について、内容の整理から公正証書作成までサポートしています。

また、当センターは日本行政書士連合会所属で、弁護士との連携体制も整えています。

離婚後の養育費を「口約束のまま」にしたくない方は、まずはお気軽にご相談ください。

LINEでのご相談も可能です。

「養育費について公正証書を作りたい」と一言送っていただくだけでも大丈夫です。

内容がまだまとまっていない段階から、一緒に整理していきます。

まとめ|養育費は「金額」だけでなく「支払いの条件」まで決める

離婚後の養育費について公正証書を作成する場合は、単に「毎月○万円」と決めるだけではなく、

  • いくら支払うのか
  • いつから支払うのか
  • 毎月いつ支払うのか
  • いつまで支払うのか
  • どこに振り込むのか
  • 特別な費用をどう負担するのか
  • 将来の事情変更をどう考えるのか
  • 不払いになった場合にどうするのか

まで、具体的に整理しておくことが大切です。

特に、養育費の不払いに備えるのであれば、強制執行認諾文言を含めた公正証書にすることが重要です。

「公正証書を作ったほうがいいのは分かった。でも、何を書けばいいのか分からない」

そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

離婚後の生活とお子さまの将来を守るために、離婚前にできる準備を一緒に整理していきましょう。

公正証書サポートセンター大阪

離婚・養育費・慰謝料などの公正証書作成をサポートしています。

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この記事の作成者

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